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上級者も意外と知らない?社交ダンス スローの成り立ちと代表ステップ&動画
社交ダンスのスローの別名は「キツネの小走り」。4分の4拍子で、柔らかく滑らかに踊る様子は言われてみるとキツネ……らしいかもしれません。ワルツよりもアップダウンが少なく、優雅に歩いているような雰囲気。音楽もジャズ要素が強くお洒落なイメージの種目です。
社交ダンス スローの成り立ち
社交ダンスでのスロー・フォックストロットの発祥は1912年にさかのぼります。イギリス生まれのヴァーノン・キャッスルとアメリカ生まれの奥様アイリーンが、アメリカと西ヨーロッパを巡ってカフェやボールルームにてデモをしていた時のこと。夫妻のトレードマークでもあるリズミカルなウォークとシャッセ、そして自然体なピポッドで構成された『キャッスルウォーク』という踊り方がパリで大流行したのです。夫妻の生涯についてはフレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズ1939年に映画化しています。彼らの人気が一時的なものではなく天性のものだったというのも合点がいきますね。
パリでの流行のあと1914年にアメリカに渡り、フォックストロットのスタイルが確立されます。同年ではイギリスでもブームを起こし、後年イギリスのダンス教師協会によって競技用のステップの整理に取り組みが行われ、スロー・フォックストロットが対象の筆頭に挙がり、現在まで多くに人の間で親しまれるようになりました。当初はクイック・クイック・スローの基本リズムに乗り、ウォーク、トロット、小さなピポッド、それに小粋なトゥインクルなどを使って静かなムーブメントで踊っていたそうです。
社交ダンス スローの代表ステップ
ヒールターン
スローといえばヒールターン。特に女性はヒールターンが得意かどうかが、スローが好きか否かに直結する……ともいえるのではありませんか?スローを踊るにあたって避けては通れないステップですから、男性にとってもリードの見せどころです!
【男性ワンポイント】
男性のヒールターンのリードは、女性の左足を、回転の軸となる右足に揃えさせることにあります。女性はヒールターンをする1歩め、右足の上ではノーフットライズ(NFR)の状態になります。まずこの右足にしっかりと体重を導き、NFRをリードする意識を持ちましょう。この状態まで持って行き、実際のヒールターンのタイミングで回り込んでライズをすれば、緩やかなヒールターンを描くことに繋がります。
【女性ワンポイント】
ヒールで回転するというよりも、ヒールに背中を預けることで中心軸となり移動するイメージです。実際に上半身のシェイプを入れると逆さ円錐を描くような動きになります。ヒールにしっかりと体重をのせるためにも、ヒールターンをする足はしっかりと後退しましょう。またヒールターンのあとのフットワークは絶対にヒールからつきます。緩やかに降りることでスローの滑らかさを表現しましょう。
リバースウェーブ
スロー・フォクストロットになくてはならない、リバースウェーブ。ゆったりと流れるようで、とてもスローらしいステップですよね。
【男性ワンポイント】
男性は右足後退時にわずかに左回転します。その際に女性を引き込み過ぎないように注意しましょう。引き込んでバックバランスになるのを回避するためにも、(諸説ありますが)右足ヒールを床に着けない様にするのがポイントです。膝を緩め、トウに力を入れてためた後、次の前進時にヒールを着いて出て行きましょう。
【女性ワンポイント】
女性はヘッドの位置と方向に注意しましょう。ホールドのハリを意識し、進行方向へヘッドを向けることで移動距離を出しやすくなります。女性全身で終わるステップですが、ホールドを崩さないよう注意しましょう。
スローのオススメ動画
緩やかに踊るスロー・フォックストロット。動画は元チャンピオンの、ミルコ、アレッシア組です。
止まることなく動き続けるスローは、ホールドのシェイプやステップのコツなど細かい技術がちりばめられています。だからこそモダン人の腕の見せ所であり、よどみないカップルの踊るスローはとても静かで綺麗。カップルの一体感を体感できるからこそ、長く愛されてきた種目なのかもしれませんね。


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