2015年日本インターを巡って何があったのか?③(全4回)

JBDFの「公益法人」としての役割とは?

JBDFの正式名称は「公益財団法人ボールルームダンス連盟」という。

「公益」とは、公共の利益を追求し、営利を目的としない活動のことをいう。

要は、「自分たちの利益を考えるのではなく社会のために活動してください」ということだ。

ダンス事業で言えば、ルールに則り、フェアで観客にわかりやすい競技会を運営する。学校支援、普及活動も行うといった活動になる。

平成26年に財団法人ボールルームダンス連盟は「公益財団法人ボールルームダンス連盟」となった。

公益法人の許可が下りたのだ。

JBDFの公益法人取得への道、国際組織への加盟

数年前に国の改革で財団法人は、一般財団公益法人に振り分けられることになった。

もし、この公益法人の許可が下りなかった場合は、連盟が持っている財産(ダンス会館、設立投資からの基金)を他の公益財団の事業に寄付しなければならなくなった。さらに、「公益目的として非課税だった競技会での収益」や50%~100%の法人税減だった教科書販売等の収益もなくなってしまう。

寄付も受けにくくなる(公益法人は社会的信用が高いため、寄付が受けやすい)

そこで、JBDFは公益法人取得へ向けて公益事業としての活動、規定の順守、整備に取り組んだのだ。

そして、今までに定められていた規定にそって組織が運営されてるいるかどうかも見直しされた。

その規定の中の一つに、「我が国のボールルームダンス競技界で代表してボールダンスの国際組織に加盟すること」(寄付行為3条と4条)とあった。

しかし、この時、厳密な意味でJBDFは日本代表としてWDCに加盟できていなかったのだ。

これは、JBDFにとっては大きな問題だった。

WDCには直接加盟ではなく、日本の組織JDC、JCF、JBDFがつくったJNCPDという組織が加盟していたのだ。

また、実質WDCの窓口となっていたのはJDCだった。

変わる世界のダンス組織事情

世界のダンス組織も変わってきていた。プロ組織は世界選手権などを主催している伝統あるWDCがダンス界をリードしていたが、2006年ピーターマックスウェルを会長としたIPDSC(のちにIDSFと協調しWDSFとなる)が設立された。IPDSCは利益を目的としないをモットーとしてIDSFというアマチュア組織と協調し、オリンピックを目指すとした。

そしてオリンピックのために規定、定款作成、アンチドーピング、審査基準の整備、審査員選出のランダム方式導入など、準備を進めていったのだ。

IPDSCとIDSFの取り組みや方針は、JBDF本部が取り組んでいる公益(利益を目的とせず、フェアで観客にわかりやすい競技会をつくる)とよく似ていた。

IPDSCが設立したとき、日本も勧誘をうけた。この時、JBDF本部で話し合いがもたれた。

オリンピックを目的として、公益を目指しているIPDSCJBDF本部にとってメリットがある組織ではあるが、WDCに加盟している日本の立場としては難しい話だった。

WDCからも圧力がかかり、WDCとIPDSCどちらに加盟するか難しい選択を迫られることになる。

IPDSCには日本のプロ組織JPBDAも加盟申請をして、準会員となっていた。このままいくとまたしても、JBDFは日本ダンス界代表としての地位をとれなくなる。IPDSCJBDFが日本の中で一番大きい団体ということで、先にJPBDAが加盟申請はしていたものの、JBDFが加盟申請してくれれば会員として迎えてくれる準備をしていた。

WDCとWDSF、JBDFの苦渋の選択

最終的にJBDFは、WDCIPDSC両方に属することになった。苦肉の策としてJBDFの外郭団体としてBDJという組織をつくり、BDJがIPDSCに、JBDFは今まで通りWDCに所属するということになった。

しかし、これで無事にIPDSCに所属することができダンス界を代表して、国際組織に加盟することができた。

もちろん、WDCとしてもそれを容認したわけではないがとりあえずは収まった形となった。

IPDSCは後にWDSFとなる。

こうして、今回、選手会とJBDFが対立している原因であるWDCWDSFの問題が始まったのだ。

次号へ続く

 

 

 

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この記事の著者

今田英寿

今田英寿

居酒屋系ダンサー。社交ダンス歴20年以上になるダンサー兼ライター。競技はすでに引退。多数のアマチュア・プロ・業界人とつながりを持つ。現在は趣味としての社交ダンスライフを満喫中。練習後の一杯が生きがいなのは20年間、そしてこれからも変わらず。客観的な情報発信を心がけながら執筆に取り組む。

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