2015年日本インターを巡って何があったのか?②(全4回)

日本インターのトラブル

日本インターに関わる世界2大団体WDCとWDSF

日本インターをめぐる一連のトラブルには、現在の世界の社交ダンス界を取りまとめる2つの団体が関わっている。それは、WDC(World Dance Council=世界ダンス議会)とWDSF(World Dance Sport Federation=世界ダンススポーツ連盟)だ。

 

WDC(World Dance Council=世界ダンス議会)

世界選手権、世界10ダンス選手権など社交ダンスの伝統的な大会を主催している団体。
1950年、スコットランドのフィリップ・リチャードソンにより世界ダンス議会(WD/DSC)として設立。

現在は元世界ラテンチャンピオンのドニーバーンズを社長とする会社組織。

 

WDSF(World Dance Sport Federation=世界ダンススポーツ連盟)

WDSFグランドスラムやジャーマンオープンなどの大会を主催。

非営利を唄い、社交ダンスをスポーツとして振興している。

国際オリンピック委員会からも承認を受けている団体。

 

この2団体は以前より対立している団体である。WDSF所属の人間WDCの主催の試合で審査員をしたがために、WDSFから除名されるなど、過去にも様々な問題があった。今回の日本インターにはこの2団体の対立が大きく関わってくる。

選手会のボイコット宣言までの一連の出来事

まずは今年起こった出来事を取り上げる。

 

JBDF 

WDCから審査員、選手を招聘。同じくWDSFから審査員、選手を招聘。JBDFは「中立」という立場から世界で対立している二つの組織からそれぞれ審査員と選手を招聘。

この時、JBDFはWDCWDSFの選手、審査員を日本インターに招聘することの承認をとっていなかった。

WDSFの選手・審査員が日本インターに招聘されていることを後日知った、WDCWDC所属の審査員、選手の派遣を中止させる可能性があるという話が出る

選手会

このままの状態で日本インターを開催すると、WDCからの信頼を失ってしまうということで、JBDFへ変更の要請。選手会からの妥協案として「WDCからはプロ部門の審査員を、WDSFからはアマチュア部門の審査員をそれぞれ招聘すべき」との意見書を提出

選手会

「日本インターチケット販売自粛」の措置をとりながら、JBDF本部との話し合いがすすむ。

JBDF

JBDFは選手会からの妥協案も否決。選手会とJBDFの話し合いは決裂。

選手会

臨時で選手総会を開催。多数決で「日本インターのボイコット」が可決される。

選手会が心配しているのは日本人が世界で戦えなくなる可能性があるということ

事の経緯は簡単に書くと上記のような流れになる。JBDFは公益財団法人の主旨通り、「中立」「公益性」がある方向へ進もうとしている。

(この中立・公益性については次号で解説)

対して選手会はJBDFが「中立」「公益性」を貫くことで、「選手の立場」が損なわれ世界で戦えなくなるのではないかということを心配している。

選手の立場が損なわれるというのは、具体的には、

「世界選手権・UK・ブラックプールなどWDC審査員のいる有名競技会で日本人の印象が悪くなる」

WDCの所属の先生は日本人のレッスンをとってくれなくなる」

可能性が否定出来ないということだ。

日本選手の多くは日本はWDC所属の外国人講師に習い、WDC審査員のいる試合に出場している。そのため、今回の試合でWDCと対立しているWDSFの選手、審査員を招聘するとなると、一部のWDCメンバーの反感を買う可能性があるのだ。

選手会はWDCと協調することを望んでいる

選手会が心配しているのは日本インターのことだけではなく、今後JBDFがWDCではなくWDSFよりの方向に進んでいくのではないだろうかということだ。メインのコーチャーをWDCにしている選手たち、また今後WDCのコーチャーに習いに行く選手たちにとって、それは良い話ではない。もう一つ選手会が怒っているのは、JBDFが表面上は「今後はWDCよりの方向で組織の運営を進めていく」と話しておきながら、WDSF側と協力していくように見えている事だ。JBDFが選手に対して話していることと、選手側から見えているJBDFのやっていることが違うこともうまくいってない要因の一つである。実際JBDFはWDSFと関わりが強くなってきている。

しかし、なぜJBDFは、組織の主体であるはずの選手たちの反感をかってまで頑なに主張を変えなかったのだろうか。

ネットやSNSではJBDFのトップたちの人間性や、経営能力が批判されているがそれは正しいのだろうか?

次回より、JBDFの公益財団法人取得や世界のダンス環境の変化を見ながら検証していきたい。

※今回の記事に書かれている選手会の意見は、選手全員の総意ではありません。あくまで選手会という組織としての意見を記載しています。選手会の中には、選手会の考え方に納得していない人間もいるため、全選手がWDCとの協調を望んでいるというわけではありませんのでご注意ください。

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この記事の著者

今田英寿

今田英寿

居酒屋系ダンサー。社交ダンス歴20年以上になるダンサー兼ライター。競技はすでに引退。多数のアマチュア・プロ・業界人とつながりを持つ。現在は趣味としての社交ダンスライフを満喫中。練習後の一杯が生きがいなのは20年間、そしてこれからも変わらず。客観的な情報発信を心がけながら執筆に取り組む。

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コメント

  1. はじめまして tamaと申します。

    DDD勝手にダンス事典というふざけた名前のダンスのサイトを運営しております。

    ダンスの情報を求めて、ネットサーフィンをしていて、貴サイトを見つけました。

    開始してまだ半年くらいのようですが、シンプルで、かつ落ち着いた画面作りをされており、記事も好感が持てます。

    もう少し記事が増えることを期待しております。

    さて、WDCとWDSFの歴史と確執について、どちらにもかたよることなく、簡潔に、門外漢の私にもわかりやすくまとめていらっしゃいますので、かなりよく理解できました。ありがとうございます。

    「海外の社交ダンス情報」という掲示板についても、今後いろいろ充実されることを期待しております。

    よろしくお願いいたします。

    /////////////////////////////////////// // ヘッダーのカスタムフィールドを挿入 // ヘッダーで呼び出すCSSやスクリプトなど // カスタムフィールドに「head_custom」と入力することで使用。 /////////////////////////////////////// if ( is_singular() ){//投稿・固定ページの場合 $head_custom = get_post_meta($post->ID, 'head_custom', true); if ( $head_custom ) { echo $head_custom; } }
  1. 2015年 5月 26日

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